ある日突然、見覚えのない海外の会社から「著作権料を支払ってください」というメールが届いたらびっくりしますよね。
実は先日、私のもとにも著作権の利用料支払いを求めるメールが突然届きました。
それは、“Copy Track(コピートラック)”という会社から送られてきたもので、大まかにまとめると、
・著作物の正当な権利者からの委託を受けて連絡している。
・「○○(サイト名)」に◯月から掲載されている画像(URL添付)
・使用期間とサイトの規模に応じて著作権料を算出したので払え
→約5万PV/月程度のサイトで、掲載期間は10か月程度。
請求金額は約8万5千円※ユーロ表記
・正当な権利がある証拠を提出しなければ、遡って利用料を請求する
といった内容でした。
当然拾い画像などは無断で転載したりしていないし、不正な利用も行っていませんが、思いがけない請求内容(と、高額な利用料)にかなり驚きました…
こうした著作権料の支払いを求める代行業者からの連絡は、近年増加傾向にあるようです。
そもそも請求してきたのはどのような会社なのか、請求メールが来た時にどう対処すればよいのか、今後気を付ける点について、事前に情報を知っておくことがまず大切です。
今回の記事では、
✅COPYTRACKとはどのような会社なのか
→怪しくない?なぜ海外からメールが来るの?
✅なぜ、どのような仕組みで請求が届くのか
→誰が請求している?裁判沙汰になる可能性は?
✅著作権料を請求された場合の対処法
→なんて返信する?どんな資料が必要?弁護士相談は?
といった疑問点や対応方法について、実体験や実際の画像をもとに詳しく解説していきます。
ブログを運営している以上知っておきたい著作権問題。
悪意はなくても、実は思わぬところで権利を侵害してしまっている可能性があります。
著作権に関するトラブルを回避したい・突然の著作権料の請求に戸惑っている方は必見の内容になっていますので、ぜひ以下の記事の内容を今後のサイト運営の参考にしてみてください。
COPYTRACKとは?突然届いた著作権料請求メールの正体
COPYTRACKはどんな会社?
COPYTRACKというところからの謎の著作権侵害通知 pic.twitter.com/Q1VNJ2fxxS
— 上倉賢 Mas kamikura (@MasaruKamikura) March 15, 2025
COPYTRACK(コピー・トラック)は、ドイツ・ベルリンに本社を置く著作権管理代行会社です。
画像や写真をブログやSNSで使用していると、知らず知らずのうちに著作権を侵害してしまっているケースがあります。
COPYTRACKは、そうした無断使用をAIで検出し、権利者に代わって使用者へ連絡・請求を行う企業です。
世界各国の写真家、クリエイター、ストックフォト企業と契約を結び、写真やイラストがインターネットで勝手に使われていないかをコンピューターで自動的にチェックしています。
特に注目すべき点は、COPYTRACKが独自に開発した画像検索エンジンを持っているということです。
このツールを使って、日本を含む世界中のウェブサイトをスキャンし、登録された画像が不正に使われていないか、検出をしているのです。
違反が確認されると、COPYTRACKが事前に依頼のあった権利者に代わって、画像の使用者に著作権料の支払いを求めるという仕組みになっています。
COPYTRACK – 画像の著作権侵害を発見し、損害賠償等の請求を代行するサービスhttps://t.co/qNmGFa1Jbi#Apppla #Webサービス @COPYTRACK pic.twitter.com/FukrHQxlh5
— Apppla【公式】話題のサービスを毎日お届け🚚💨 (@appp_la) February 24, 2018
サービスを利用する側から見るとこんな感じの画面が表示される
そのため、ブログを運営している側からすると、「突然の海外からの請求」という形で唐突にメールが届くため驚かされる、といったわけです。
機械的な文章なので詐欺メールと勘違いされることもありますが、一応独自のシステムをもって自動配信されているメールなので、詐欺ではない=無視してはいけないという点に注意が必要です。
なぜ海外から著作権請求が届くのか
そもそも著作権の本質として、国内外で保護されるべき権利という性質があります。
COPYTRACKは、主に海外の写真家や画像制作者の著作権を保護する目的で、日本を含む世界中のウェブサイトを対象に24時間体制で画像をモニタリングしています。
たとえブログや個人サイト、非営利目的の使用であっても、権利者の許可なく画像を使用していれば、著作権侵害とみなされる可能性がある点に気を付けなければいけません。
そのため、「外国の会社だから対応しなくても問題ない」と判断するのは危険です。
日本のユーザーに対してもCOPYTRACKから料金の請求書が実際に送られてきた例は多く、実際に写真の持ち主が請求に関わっている=請求する意思がある場合には、法律に基づいた正当な請求が認めるられるケースがあるからです。
メールの内容と特徴|どんな請求が来るのか
COPYTRACKから届くメールは、基本的に英語または日本語で記載されています。
具体的には以下のような内容が書かれています。
・無断使用されたとされる画像のサンプル
・URL著作権者の情報
→誰が制作した著作物なのか
・使用が確認されたページのURL使用期間や使用状態の説明
→いつからどのような状態で掲示されているのか
・ライセンス料として請求される金額支払いの期限や方法
・「法的手続きをとる可能性」についての記載
著作権侵害ということで、COPYTRACKというドイツの会社から「事後ライセンス料 389.59 €」「過去使用料(過去の使用分)350.00 €」として、日本円にして10万程度支払うようなメールが届いた。
— Dar4C | AI x Marketing (@Dar4C) May 9, 2025
調べてみると、ちゃんとした会社だった。… pic.twitter.com/QqtcOzczvA
請求金額は画像1点あたり数百ユーロ(日本円で数万円程度)になることもあります。
使用料は、画像が掲載されているサイトの規模や、掲載期間などによって独自に計算されているようです。
私の場合は、月間約5万PV程度のサイトで、掲載期間は約10か月。
支払いを求められた請求金額は、約85,000円でした。
なかなか高額ですね…
内容をよく確認すると、請求根拠の説明が具体的に明示されている場合もあります。
突然高額な著作権料の請求が、しかも海外の会社から送られてくると焦ってしまいますね。
とはいえ、すぐに支払うのでは“ちょっと待った”です。
まずは、本当に支払うべき必要があるものなのか、事実関係を慎重に確認していくことが大切です。
以下では、実際に著作権料の請求がされた時に、
・どのような点をまず確認するべきなのか
・請求に対してどう対処すればよいのか
について、私自身の体験も踏まえてお伝えしていきます。
著作権料を請求されたときの対処法
まず確認すべきポイント
著作権料請求のメールを受け取ったら、まず落ち着いてメールの内容を確認しましょう。
まず確認するべき点は、以下の通りです👇
・当該画像が本当に自分の管理するサイトやブログで使われているか
メールには該当箇所のURLや使用画像、いつから掲載されているか等が明確に記されています。
あくまでも自動で検出されているものなので、間違いがないかファクトチェックを◎
・メールが本物かどうかも注意が必要
COPY TRACKという会社は実在する著作権料代行業者の名称ですが、詐欺メールや悪質な業者が混ざることもあるため、送信元のメールアドレスや連絡先、公式ウェブサイトの情報と照合し、正規のCOPYTRACKからの通知であるかどうかをチェックしましょう。
判断基準としては、
✅送信元メールアドレスは@copytrack.comか?
✅メール内のリンクはcopytrack.comドメインか?
などを確認しましょう。
支払うべきか?無視していいのか?
COPYTRACKの請求、まず無視してはいけません✖
なぜなら、無断使用が事実であれば、放置すると法的措置に発展するリスクがあるからです。
ただし、支払いに応じる前に「不正使用の事実が間違いないか」「金額が妥当なものか」については、慎重に判断しましょう。
請求金額が過大であったり、法的根拠が曖昧な場合もあります。
焦って全額払って丸く収めよう、という考えはあまり得策ではありません。
なぜなら、これからもブログを運営している限り、こういった連絡が来る可能性は十分にあるためです。
請求内容に疑問があれば支払いを保留し、専門家に相談してみましょう。
無視することはお勧めしない、かといって焦って即座に支払う必要もなし。
適切な対応で解決を図ることが重要◎
返信する場合の注意点と対応例

請求に対して返信する際は、感情的にならず事実確認を最優先に行いましょう。
相手の主張を冷静に聞き取りつつ、こちらの状況や使用の有無を正確に伝えることが大切です。
以前、「絶対に不正使用はしていない、でも数年前のことで証拠画像がない」と語気を強めた返信をしたところ、“払う意思がない”と判断されたのか、請求金額がなぜか吊り上げられたうえ「払わなければ◯日後に弁護士委任する」といった主旨の通達がされたとの報告も…
連絡を返す場合は、メールの文面を保存し、必要に応じてスクリーンショットも残しておくと後で役立ちます。
無理な支払い要求や脅迫めいた表現があれば、弁護士に相談してください。
なお、まず対応をいったん保留にする場合には、以下のような返信がおすすめです。
【対応例】
「ご連絡ありがとうございます。指摘された画像について調査中です。事実確認ができ次第、改めてご連絡いたします。」
また、私の場合は有料版CANVAで作成した画像について、著作権料の請求が求められていました。
そこで、
・有料版の料金が記載&支払ったことが分かる明細のスクショ
・支払った日付が記載された領収書(CANVAのマイページからダウンロード可)
・CANVAに該当画像が登録されていることがわかる画面のスクショ
を添えて、以下の返信を送りました。
件名:著作権侵害通知へのご返信 – 使用権を示す証拠を添付いたします
COPYTRACKご担当者様
ご連絡ありがとうございます。
ご指摘の著作権侵害について確認いたしましたが、当該画像については、正規にライセンスを取得のうえ使用しております。
添付ファイルにて、[使用したストックフォトサービス名]の購入履歴のスクリーンショットをお送りいたします。
もし他に必要な情報や書類がございましたら、追加で提出させていただきます。
本件について添付の証拠をご確認のうえ、問題がないことをご確認いただけますようお願いいたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
[名前]○○
[運営するサイト名または会社名]○○
[メールアドレス]○○
今回はCanvaの有料版でしたが、Adobe Stockや、iStock、PhotoACなどでも、ほぼ対応は同じです。
大体のツールでは、マイページに過去の決済履歴やダウンロード履歴が記録されているため、その写しを添付して送れば問題ありません。
上記のメールを送信してから3日後、
「有効なライセンスを確認しました。この件はクローズします。」
といった内容のシンプルなメールが届き、本件は解決となりました。
今回は正当な権利を立証する資料があったため事なきを得ましたが、実際のところ、
・長年運営しているブログで、画像を取得したストック元の運営会社が閉鎖している
→料金を支払ったことが立証できない
・ライターさんに画像含め外注以来した記事で、既に本人と連絡がつかない
→サイトに掲載したのは運営者、有効なライセンスを確認する手段がない
といったケースも考えられるので、やはりフリー素材とはいえ使用する際には注意が必要ですね。
専門家(弁護士)への相談は必要?
著作権関連の請求は法的な問題に関わるため、不安な場合は弁護士や知的財産の専門家に相談することを強くおすすめします。
特にやり取りの中で、
・確固たる証拠がないまま強固な支払いを求められている場合
・正当な権利をやむを得ない事情で証明できない場合
・不当に請求額が高額な場合
などには、専門家の判断を仰ぐことでトラブルを回避できる場合があります。
最近は、最初の相談をオンラインで受け付けている法律事務所も増えてきており、費用や相談方法も多様な手段があります。
困ったら一度相談してみても良いかもしれません。
なぜCOPYTRACKから請求されたのか?原因と対策
知らずに使っていた画像・写真が対象に
ブログやSNSで使っている画像の中には、実は著作権で保護されているものが紛れている場合があります。
無料で見つけた写真やネット検索で拾った画像でも、明示的な使用許可がない限り著作権侵害になることが多いです。
COPYTRACKはそうした無断使用をAIで検出し、権利者の代理として請求を送ってくるため、気づかぬうちに対象になっているケースが多いのです。
例えばこんな物も著作権の侵害に該当する場合があります
観光地で撮った風景写真に写り込んだアート作品
例:美術館の屋外彫刻、壁画、オブジェなど。
作者の著作権が有効な場合は、商用利用やSNS投稿で問題になるケースがある。
アニメのキャラクターが写った街中の広告や看板の写真
例:駅構内の巨大ポスターや、店の壁に描かれたアニメキャラ
写真にアニメキャラが明確に写り込んでいる場合、著作権侵害と見なされる場合も。
雑誌や新聞をスマホで撮って投稿した画像
例:雑誌の表紙や特集ページを撮ってSNSにアップ
紙媒体であっても、写真や記事・イラストには著作権がある。
フリー素材・引用画像でも安心できない理由
「フリー素材だから大丈夫」と思い込んでいる方も要注意です。
フリー素材や、無料サイトから取得した画像やイラストも、よく見ると使用範囲や条件が限定されている場合が多くあります。
なかには、商用利用禁止やクレジット表記が必要なものがあります。
また、著作権フリーと謳っていても、利用規約の違反や誤った転載があれば著作権侵害とみなされることがある為、注意が必要です。
例えばこんな物も著作権の侵害に該当する場合があります
フリー素材サイトからの画像でも「利用条件違反」しているケース
例:クレジット表記が必要な画像を表記なしで使っている
商用NGの素材をブログやアフィリエイトで使っている
フリー素材であっても実は条件付きであることが多い。
必ず事前に利用規約をチャックすること。
今後のリスク回避方法とおすすめ対策

トラブルを防ぐためには、Adobe Stockやi Stockなどの信頼できる大手公式の素材サイトから画像を取得し、さらに事前に利用規約を必ず確認することが大切です。
また、自ら撮影したオリジナル写真や自前のイラストを使うのが最も安全といえます。
そのうえで、著作権侵害をしない為にチェックすべき点は以下の通りです。
【1】画像の出所は明確か?
誰が作った画像か、どこからダウンロードしたものか確認
「拾い画」「SNSで見かけた画像」は特に注意!
【2】利用許可やライセンス内容は明確か?
利用条件(商用OK/NG、改変OK/NG、クレジット表示の要否)を必ずチェック
【3】画像内に著作物が含まれていないか?
アニメキャラ、企業ロゴ、絵画や彫刻などが含まれていないか確認
※背景や服、小物などに偶然映り込んでいるケースにも注意
【4】フリー素材でも「再配布」や「再販売」になっていないか?
フリー素材を加工して再配布・販売するのは禁止されていることが多いので注意が必要
正当な権利をもって画像を使用する場合にも、不安であれば『引用のルール』を守って正しく使用するようにしましょう。
■引用のルール
・出典元を明記すること
・改変はしないこと
・本文と主従関係が明確であること
・前提として引用の必要性がある内容であること
著作権侵害を防ぐには、画像の出所や利用条件を必ず確認し、信頼できるフリー素材サイトを利用することが基本です。
自作のコンテンツやライセンス・使用条件が明確な素材を使い、それでも不安な場合は引用ルールを守ることで、後のトラブルや不正利用とみなされるリスクを大幅に減らすことができます。
まとめ|著作権料請求には冷静に対応を
COPYTRACKからの著作権料請求は突然で驚くかもしれませんが、まずはメールの真偽と請求内容を落ち着いて確認することが大切です。
無断使用があれば問題ですが、すぐに慌てて支払うのではなく、必要に応じて専門家に相談しながら適切に対応しましょう。
最近では、AIで生成した画像を使用する運営者も増えており、「知らぬ間に人の作品を真似た画像を使ってしまった」などの著作権トラブルがますます増えていく可能性があります。
普段から画像や素材の権利管理(著作物と酷似していないか、正当な使用権利が引き続きあるか、画像ストックの運営元は?etc…)を定期的にしっかり行うことが安心した運営の鍵となります。
今回記事で触れた内容を参考に、万が一こうした請求が来た際に対応できる正しい知識を身につけておきましょう。



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